
「自分の木」は、石巻の旧北上川から運河がわかれるとこにあるカフェである。窓からの景色はほのぼのとして、散歩の人や釣りの人がたくさん見える・・・。暖かい季節ならぶらぶら歩きたいところだ。ピアノは50年くらい前の木目調の小さなスタインウェイ。(が、外見だけ。オーバーホールは別のメーカーの部品で行っているらしいのでこれは既にスタインウェイではないようです、ガビ〜ン!!)あんまり弾かれてないらしく、この日も調律師さんはGJである。調律というより「整音」の問題アリって言ってた。彼がもくもくと仕事中、私は美味しいカフェをいただきながら、2階席のあたたかい場所でぬくぬく読書中・・・。
今日は瀬尾和紀×中川賢一のデュオに、強力なる助っ人?で地元出身のフルーティスト白戸美帆さんをお迎えしての2本フルート。彼女は地元の大学を出たあと、パリへ留学しガロワや瀬尾さんのお弟子さんでもあるのだ。しかもvs高木綾子で売り出せそうな可愛らしさと奥ゆかしさを持つ女性なのだ!!
シューベルト:セレナード
シューベルト:アヴェ・マリア
ドップラー:ハンガリー田園幻想曲
モーツァルト:2本のフルートとピアノのためのソナタ ニ長調 KV.448
パガニーニ:カプリス 第24番 イ短調 (フルート・ソロ)
ヴィターリ:シャコンヌ
ダマーズ:コンセールによるソナタ
ショッカー:2本のフルートとピアノのための「3つのダンス」
アンコール チャルダッシュ2本フルートびっくり版イズミティのようなホールよりも、やっぱりこのくらいの空間(サロン)のほうが、より臨場感と迫力を味わうことができる。何よりも近いし・・・・。なので、ついついお客さんの中にも体や足でリズムをとっちゃう人がいたり。フフフ。
わたし的には瀬尾さんのハンガリー田園を聴くと「そうそう、これこれ。これよ」と勝手に納得してしまう。CDを含めると色々な演奏家のハンガリーを聴いているだけに、瀬尾さん独特の節まわしと歌心に陶酔してしまう。モーツァルトのニ長調は、もともとピアノ2台の曲をフルート2本とピアノに編曲したもの。私も小学生のときに発表会で弾いたことがあるくらい有名な曲である。いったいどんな役割分担になるのかなァと思いきや、やっぱり16分音符のいやらしい(私が思う)ところはピアノが担当していた。中川氏、がんばる。出だしから、ダイナミックなモーツァルトである!
フルート・ソロはパガニーニのカプリースより24番。この曲の、フルートならではの効果がとても面白い。あれって誰の発案なんだろー(瀬尾さんだろ!)。現代的な奏法がふんだんに使われていて・・・すまん、言葉で説明できない・・・。フルートで出せる一番弱い音というのもたぶんあるんだと思う。出るか、出ないかスレスレのところだけど、ちゃんと音楽をやっている。ヴァイオリンだと「技巧的!」って感動するところ、フルートでの「うわ、すごい!」が違ってて面白い。一度、必聴の価値アリ。私は2度目なのですが。このカプリースって超絶技巧なヴァイオリンの名曲だけど、この24番のほかにフルートでも挑戦できる曲ってないんだろーか、と、こういう演奏を聴くと思ってしまう。まだまだ未知の領域へ行って欲しいのである。
パガニーニ、シャコンヌ、ダマーズと連続で吹いた後、ショッカー。「吹き続けて疲れる」ということのない瀬尾さんてスゴイ。これっくらいはな〜んでもないそうだ、ヒー。
ショッカーの2本はCDではよく聴いていた曲。こういうノリノリの速い曲って楽しくてお客さんにはウケそう〜。あのリズム感をキープしてモタモタにならないためには、やっぱりピアニストの功績は素晴らしい。中川氏のお得意分野だもの、もう任せて安心。フルート2本も完璧にピアノのリズムに乗って、自由にのびのびと〜。リハーサルではついつい「師匠と弟子」の関係でレッスン状態だった、フルーティスト達も本番では堂々たる演奏だった。白戸さんもブラボーである。
フルートでは普通演奏されない”初”のような珍しい曲が聴ける演奏会は、瀬尾さんならではである。まだまだ色々な新分野に挑戦されている。そして中川氏との関係も絶妙にツボにはまっていて、聴いているほうは超安心(私の立場からすると)。もう楽しいし、幸せだぁ〜。。。
瀬尾さんと中川氏は10日、仙台市内の小学校でクローズの演奏会。これで演奏会の一切は終了である。きっとまた「次回」があるでしょう。次は何を聴かせてくれるのか、乞うご期待!